2016年10月02日

【ブラジル】リオパラリンピックが閉幕。日本は史上最多の24メダルを獲得

 リオパラリンピックの閉会式が現地時間の18日夜、リオデジャネイロ市内のマラカナン競技場で行われ、12日間にわたった南米大陸初のパラスポーツの祭典が幕を閉じた。

 選手90、スタッフら70人からなる日本チームをはじめ、各国選手団が予め、会場内に着席し見守るなか、南米独特のリズムを刻む、にぎやかな音楽と豪快な花火とともに閉会式がスタート。

 各国旗手による国旗の入場がはじまると、歓声はさらに高まる。日本は82番目に登場。車いすテニスの女子シングルス銅メダリストの上地結衣が旗手を務めた。最後にブラジル国旗が入場すると、観客席からは「ブラージル、ブラージル」の大合唱がこだました。

 主催者からは選手、国民、そして大会運営を支えたボランティアへ感謝の言葉などが送られたあと、次回開催都市にパラリンピックの旗を引き継ぐセレモニーが行われ、リオデジャネイロ市のパエス市長から、IPC国際パラリンピック委員会のクレイバン会長を経て、東京都の小池百合子知事に旗が引き継がれた。

 つづいて行われた、東京大会のプレゼンテーションでは、「TOKYO 2020 POSITIVE SWITCH」をコンセプトに華やかなパフォーマンスが繰り広げられた。冒頭では1964年東京大会を振り返りながら、2020年には東京が世界で初めて2回目のパラリンピック開催都市となることなどが紹介された。

 パフォーマンスでは、義足モデルのGIMICOさん、義足ダンサーの大前光一さん、視覚障害を持つファシリテーターの檜山晃さんなどが登場。「障がいがあることは、新しい可能性を持つことでもあるんだ。そう言える東京を目指して」をテーマに、ピチカート・ファイヴの「東京は夜の七時」の曲などにあわせて「東京」がさまざまに表現され、2020年東京大会をピーアールした。

 IPCのクレイバン会長が閉会を宣言し、300個の風車が生み出す風の力で12 日間燃え続けてきた聖火が消された。フィナーレでは競技場が一転、カーニバル会場に早変わり。リズミカルな音楽にのり、花火が多数打ち上げられる中、選手やボランティアたちも共に踊り、観客も一体となって会場全体が歌と踊りで盛り上がった。

◆日本のメダルは24個

 今大会で日本選手団が獲得したメダル数は銀10、銅14の計24個。合計数ではロンドン大会の16個を大幅に超える史上最多となったが、史上初めて金メダルなしに終わり、国別獲得数は64位で当初目標の10位以内はかなわなかった。

 大会序盤にメダル獲得があいついだ柔道チームの活躍が、日本チームを勢いづけた。大会中盤の12日、ボッチャ団体戦で、日本が史上初の銀メダルを獲得し、脳性まひ者など重度の障がい者を対象にしたパラリンピック特有のボッチャという競技が一躍、注目された。陸上競技の男子4x100mリレーT42-47(切断・機能障がい)で、この種目初の銅メダルを獲得。精度の高いバトンパスなど日本のチーム力を世界にアピールした。

 最終日の18日には、ウィルチェアーラグビーの日本がカナダを52−50で破って銅メダルを手にし、前回4位に終わった悔しさを晴らした。また、視覚障がい者男子のマラソンでは、ロンドン4位の岡村正弘がついに銅メダルをつかんだ。今大会より初採用となった視覚障がい者女子のマラソンでは、道下美里が初代銀メダリストとなった。

 一方で、世界の競技力アップの速度はめざましく、金メダルが期待された競技や個人種目で厳しい試合がつづき、日本は史上初めて金メダルゼロに終わった。2020年東京大会をみすえて掲げた「金メダル10個獲得」の目標は達成できなかった。地元開催となる東京大会開幕まで、あと残り4年。日本パラリンピック委員会とも連携をはかり、各競技団体は強化体制の見直しなどにも早急な対策が必要だ。今大会の結果をしっかりと分析、検討することが重要だろう。

 国別のメダル獲得数では、中国が金107個を含む、計239個を獲得。計147個(金64)を獲得したイギリスを大きく上回り、中国が他を圧倒しての1位だった。

 また、リオ大会は運営や準備状況、治安体制などの問題で、開催を危ぶまれることもあったが、大きな混乱や事故もなく、無事に閉幕した。施設や設備、運営上の課題は開催中もまだ見られたが、ボランティアをはじめ、「人の力」で補われた部分も少なくなかった。リオ大会全体について良い点も改善すべきだった点も含め、日本はさまざまな視点から見つめ教訓とし、4年後に開催される東京大会に向け、いかしていくことが必要だろう。

 例えば、リオは多くの会場で観客の声がこだましていた。選手にも「力になる」と好評で、観客自身も試合だけでなく、会場で観戦すること自体を大いに楽しんでいるように見えた。時には静寂を求められるゴールボールやブラインドサッカーで競技に支障がでるほどの盛り上がりを見せたこともあったが、「会場満員化」を目標に掲げる2020年大会としては、大いに見習うところがあるだろう。観戦マナーを理解した上での会場観戦の楽しみ方を、今後4年間で国民の中に浸透させるような準備、仕掛けも必要だろう。

 次回の2020年東京大会は8月25日から9月6日まで開催される。リオの閉会式で、2回目のパラリンピックを初めて開催することを強くアピールした東京。世界からの注目と期待はますます高まったことだろう。ここからの4年は、東京の、日本の、底力が試される時間になる。

(文・星野恭子 写真・越智貴雄)

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