落語、読み聞かせ、音楽でつながる午後のひととき「音の文化祭」が開催されました
「なにわ体感!見たことないおおさか」
パーソナリティの濵﨑雄三さんが大活躍!
(写真の解説)
音楽コーナーの1曲目「四季の歌」を歌う出演者の皆さん。手前から、濵﨑雄三(はまさき ゆうぞう)さん、松本葵(まつもと あおい)さん、藤本香穂(ふじもと かほ)さん、山下大樹(やました たいき)さん。

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2月7日(土)の午後、大阪市長居障がい者スポーツセンターで、大視協青年部主催の「音の文化祭、落語・読み聞かせ・音楽の午後 in 長居」が開催されました。寒波が心配された日でしたが、定員を上回る来場者約70名の笑顔と熱気で、会場は終始温かい雰囲気に包まれました。
JBSパーソナリティとしても活躍する濵﨑雄三さんを中心に、1年をかけて企画から準備まで、視覚障害当事者のメンバーが主体となって丁寧に作られたこの催しは、出演者や支援者の思いが重なり、音を通して人と人がつながる場となりました。
共演者それぞれの個性が光るコーナー
落語のコーナー
イベントの最初と最後を飾った、落語の呆っ人(ぽっと)さん。「難しい噺もわかりやすく伝える」語りが魅力で、登場人物の生き生きとした様子が楽しい二席でした。

(写真)落語のまくらで、鼻笛を披露し、ひと笑いを誘う呆っ人(ぽっと)さん
読み聞かせのコーナー
松本葵(まつもと あおい)さんによる点字絵本の朗読が行なわれました。「ねずみ経」というユーモラスな民話を、優しく柔らかな声で温かく面白く語られ、会場に笑顔が広がりました。
音楽のコーナー
出演者は、司会進行の濵﨑雄三さんとコーラスユニット「ティックルズ」を組む藤本香穂さん、ピアノの山下大樹さん、読み聞かせの松本さん、そして濵﨑さんの4人。
山下さんの伴奏に合わせて4人で歌う「日本の歌百選」からの3曲を皮切りに、全10曲を披露しました。伴奏のピアノ以外にも、歌を盛り上げるさまざまな楽器も登場。インスタコードやフィンガードラムやエアロフォンといった電子楽器に加え、マンゴーの形をしたシェーカー、さらには、ソプラノリコーダー、牛笛や赤ちゃん笛など、ユニークな楽器の音色がコーナーを彩りました。

(写真)手回し式オルゴール「オルガニート」を演奏する濵﨑さん。穴のあいた楽譜カードを差し替えながら奏でた3曲は、繊細で優しい音色でした。(机の前方に垂れている白い帯状の紙が楽譜カード)
濵﨑さんが仕掛けたサプライズのひと幕
濵﨑さんがパーソナリティを担当する「なにわ体感!見たことないおおさか」で相手役をつとめるシンガーソングライターのTARAさんも、当日会場に駆けつけました。そのご本人へのサプライズとして、「ティックルズ」からTARAさんの楽曲「一度きり」を歌唱。心のこもった歌声に、TARAさんも大感動でした。

(写真)イキの合ったコーラスが素敵な「ティックルズ」の二人。
開催後の濵﨑さんへのインタビュー
当日は客席の女性から「私も歌いたいなぁ」というつぶやきが聞かれたイベント「音の文化祭」。企画の中心となった濵﨑さんにお話を伺いました。
質問:「音の文化祭」、大変好評でしたが、このイベントを企画されたきっかけと、イベントに込めた想いは?
濵﨑さん:この企画の原点は、2024年2月に大視協青年部が主催したオンライン企画「言葉で開く活躍の可能性、心を繋ぐ落語と読み聞かせの夕べ」なんです。
全国から百数十名が参加し、落語や読み聞かせに加え、それぞれの趣味や活動の歩みをインタビューでたどり、この時も大きな反響を呼びました。
その後、「ぜひ対面スタイルでも開催してほしい」という声が多く寄せられたことに背中を押されたのがきっかけです。
そして、2025年初頭から本格的に準備を始めたのですが、今回は対面ならではの魅力を活かそうと、前回取り入れることができなかった「音楽」で、多くの人に親しんでもらう構成に発展しました。
質問:イベントでは、司会進行、歌唱、楽器演奏、そして音響や効果音出しなど裏方的な役割までなさっていましたね。
濵﨑さん:私は生まれつきの全盲で、30年近く点字を使っています。普段から仕事にとどまらず、講演や歌でも点字ディスプレイをフル活用しているのですが、進行役として、ぜひ、この強みを生かそうと考えました。
今回の会場には、音楽を演奏する機材が十分に揃っていませんでしたので、マイクやスピーカーのセット、キーボードなどの各種楽器は大視協青年部のメンバーで持ち寄りました。
バタバタするところもありましたが、すべてにやりがいがあり、ほどよい緊張感の中で大きな達成感を得ることができました。サポートしてくださったボランティアスタッフの皆さんにも本当に感謝しています。
質問:視覚障害当事者として、今回のようなイベントを開催する意義をどのように感じておられますか。
濵﨑さん:視覚障害者にとって、講演や研修、体験学習など、手や耳から学ぶ機会は多くあります。一方で、当事者自身が準備段階から関わり、特技を披露する場は全国的にもまだ多いとは言えません。また、活動の性質上、注目を集めにくい側面もあると思います。
こうした取り組みが、他の団体や地域活動の小さなヒントやお役立ちになれば、とっても嬉しいです。
濵﨑さんへのインタビューを終えて
濵﨑さんに今後について伺うと、「私は欲張りなので、今後さらに話す力、進行する力、音楽パフォーマンスを高めたいと思っています」と語られました。そして、「インスタコード、エアロフォン、フィンガードラムなどもさらに腕を上げていきたいし、英語やラップなど歌のジャンルも広げながら、好奇心を持ち続けて表現を深めていきたい」とのことでした。
音は視覚に頼らないコミュニケーションとして、多くの人に開かれています。今回の「音の文化祭」は、視覚障害当事者主体の表現の場として、そして人と人をつなぐ文化の場として、確かな一歩となりました。
濵﨑雄三さんが出演する「なにわ体感!見たことないおおさか」は、毎日朝11時からと、夜8時からの2回放送中。
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