JBS通信2016年3月号 No.22 JBSは視覚障害者向け専用ラジオ局です。 [発行]JBS日本福祉放送 (社会福祉法人視覚障害者文化振興協会) 〒534-0026 大阪市都島区網島町4-12 TEL 06-4801-7400  FAX 06-4801-7401  URL http://www.jbs.or.jp 発行責任者 川越利信   定価 1部 50円 目次 1.期待される 未来型医療とロービジョンケア 2.広告 3.リオ・パラリンピックに向けて① 4.消費生活あどばいっち 竹田幸代 5.JBSの聴き方 6.JBS日本福祉放送 番組案内 7.音訳ノート 渡辺典子 8.2016年 JBSフォーラム「音で触れ合う」 開催 9.同行援護従業者(ガイドヘルパー)養成研修のご案内 10.インフォ・ボックス 11.編集後記 1.期待される 未来型医療とロービジョンケア 17年秋、アイセンター開所予定  世界の最先端を行く医療と福祉に関するシンポジウム「神戸発・未来型医療とロービジョンケア」が、公益社団法人NEXT VISION(ネクストビジョン)の主催で1月31日、神戸市内で約230名を集めて行われた。  NEXT VISIONは、世界で初めてiPS細胞を利用して網膜の人への移植に成功した、理化学研究所CDBの高橋政代氏や国際的に著名な眼科医、三宅養三氏らによって二〇一四年に創設された法人。医療と研究を合体させ、合わせてロービジョンケアを行うという世界でも珍しい取り組みを目指している。  その活動拠点となるのが、二〇一七年秋に、ポートアイランド内に開所予定のアイセンターである。 アイセンターの試み  アイセンター構想は、高橋政代氏が20年以上温めてきた構想で研究、医療、ロービジョンケアの三分野から成る。再生治療だけでは医療は完成しない、研究とロービジョンケアを同時に融合させ、社会全体で視覚障害に起因する不利益を補い、社会参加を促そうという考え方。言い換えると、医療で対応できるものは手術等の医療で、そうでないものはケアで対応しようというもの。  アイセンターの三つの土台から産み出される成果をリハビリテーションや社会実験として試みるのがNEXT VISIONの役割。 JBSで放送  JBSでは、このシンポジウムの模様を収録・編集。オンデマンドで、いつでもお聴きいただけます。  JBSのホームページでメニューから「オンデマンド」を選択。番組名を確認し、クリックしてください。 放送内容 第一部 講演「神戸発・未来型医療とロービジョンケア」(約60分) 高橋政代氏、三宅琢氏 第二部 パネルディスカッション ① 「視覚障害者の就労について考える」(約60分) ② 「視覚障害者の暮らしについて考える」(約60分) 2.ちょっとぜいたくなJBSの楽しみ方 音楽&JBSをUSENで! USENは24時間のノンストップ放送で、500チャンネル勢揃い。 快適な音楽生活をお約束します♪ 月額使用料6,000円のところ→3,000円(税別) お問い合わせ・お申込みはJBSまで。 電話 06-4801-7400 FAX 06-4801-7401 URL http://www.jbs.or.jp 3.リオ・パラリンピックに向けて ①  今年9月7日~18日、ブラジル第2の都市リオデジャネイロで障害者スポーツの祭典パラリンピックが開催される。南米で初となる今大会は通算15回目の夏季大会。2020年東京パラリンピックへの試金石としても注目される大会となりそうだ。  今回からカヌーとトライアスロンが追加され、実施競技は全部で22。うち、視覚障害選手が参加する競技は、次の11競技。陸上競技、自転車(ロード・トラック)、馬術、視覚障害者5人制サッカー、ゴールボール、柔道、ローイング、セーリング、水泳、カヌー、トライアスロン。  過去3大会(04年アテネ、08年北京、12年ロンドン)の日本選手団の総メダル数を見ると、52個→27個→16個と三分の一以下に減少。特に、陸上競技(18→12→4)や水泳(23→5→8)といった人気競技でのメダル数の落ち込みが激しく、リオ大会での奮起が期待される。  厚労省から文科省への移管、20年の開催地決定、そしてスポーツ庁設置など、前回大会の頃と比べて、障害者スポーツを取り巻く環境は大きく様変わりした。追い風が吹いている今こそ、リオ大会を障害者スポーツの認知度を高める機会としたい。 4.消費生活あどばいっち 竹田幸代 消費生活アドバイザー。社会福祉法人日本ライトハウス情報文化センター サービス部勤務。きんきビジョンサポート(KVS)代表代行。 第1回 「どうして消費生活アドバイザー?」  今回は記念すべき(?)第1回!自己紹介的なことを少し。  もともとお買い物大好き!自分のニーズや好みに合うモノを探しまくって、ときには必要以上に買ってしまう!あ~楽しい!そんな私が「消費生活」というものを考えるようになったきっかけは今から13年前。自身の視覚障害が進行して、日本ライトハウスのリハビリテーション施設に通所し始めたころでした。  ある日、全盲の友人が一言。「自動販売機も使えない、缶コーヒーも自分で買えないなんて小学生以下」。目からうろこでした。自動販売機の前で、スーパーの飲料コーナーで、足を止めては考えました。世の中には、こんなにたくさん自動販売機があって、たくさんの商品があって、なのに、見えないという理由だけで好きなものを選ぶことができないってどういうこと? 当時、施設利用者は百人以上。周囲を見渡してみると、ほとんどの人が同じ携帯電話。使いやすいと薦められるものは黒いモノばかり。記入するとき用のルーペは使いづらい……。視力が低下すると、選択肢が格段に少ない。そして、書籍で読んだ「視覚障害者は情報障害者である」の一節。これはいかん!!  というわけで、視覚障害者の声を行政や事業者に届け、また、私たち当事者に情報が伝わり選択肢が増えるように、この資格を取ったのでした。  そんな視点でこのコーナーを楽しくしていけたらなと思います。では、また次号で! 5.JBSの聴き方 1) インターネット・ラジオ(http://www.jbs.or.jp) 2) ケーブル・システム(USEN440 K-08CH) 3) 衛星放送(CS「サウンドプラネット」 K-08CH) *2)、3)をご希望の方は、JBS日本福祉放送までご連絡ください。障害者手帳をお持ちの方は割引が受けられます。 6.JBS日本福祉放送 番組案内 ◆「らくらく生活 ~もっと便利なモノかたり~」  視覚支援機器を中心に、便利なもの、おいしいもの、楽しいものをご紹介します。視覚障害者の生活を「楽」に、そして「楽」しくする番組です。 放送日 月曜日~日曜日 20時30分~21時00分 出演者 山口成志(株式会社タイムズコーポレーション代表取締役社長)竹田幸代(消費生活アドバイザー) ◆「新刊ラジオ」  ビジネス書から文芸書まで話題の書籍をピックアップ。株式会社オトバンク提供。 放送日 月曜日~日曜日 19時00分~19時30分 放送予定 3月7日(月)~13日(日)  『焼きヨーグルトレシピ ―バター、生クリーム、チーズのかわりに 毎日使ってやせぐせ』 3月14日(月)~ 20日(日) 『小森谷くんが決めたこと』 3月21日(月)~ 27日(日) 『空に牡丹』 3月28日(月)~ 4月3日(日) 『付添い屋・六平太 龍の巻 留め女』 ◆「今日の新聞」(朝刊・夕刊)  JBSの人気番組「今日の新聞」では、毎日、生放送で全国紙三紙(朝日・日経・読売)を音訳しています。 放送日 毎日(休刊日を除く)(朝刊)10時00分~12時00分(夕刊)16時30分~18時00分 7.音訳ノート 渡辺典子 音訳歴40年以上の現役ボランティア。各地で後進の指導・育成にあたる。 第1回 音訳とは  音訳とは、「音声訳」の略で、書かれた文字を視覚障害者のために音に変えることです。もちろん文字だけでなく写真や図表などのいわゆるビジュアル系といわれるものも、その内容を説明します。つまり、音訳とは、視覚を使えない人の「目の代わり」をすることです。音訳の対象は、専門書から新書、話題の本、週刊誌、通販カタログ、電化製品の説明書に至るまで、幅広くあります。  私たちがJBSで関わっている音訳は新聞音訳ですが、他にもさまざまなかたちの音訳があります。  例えば、録音図書や対面リーディング。前者は読むだけではなく、調査・校正・編集といった作業があり、何人もの人の目や手を経てつくられます。現在ではPCを使ってのデジタル録音が主流となりデイジー編集されたCDが利用されています。後者は音訳困難な本、早く内容を知る必要があるなどの理由で利用者と音訳者が相対して読み進めます。校正が無いのは新聞音訳との共通点です。  ほかにも、自治体の広報紙の音訳など地域に密着した活動をおこなう音訳グループが各地にあります。同じ地域の人の声で読んでもらえるのは大変うれしいこととの利用者の声も聞きました。外出のままならない方のお宅へ伺う「音訳の出前」も地域ならではの活動だと思います。  「音訳」という一つの文化を育み発展させる努力を続けていきたいものです。 8.2016年 JBSフォーラム「音で触れ合う」 開催  JBS日本福祉放送が主催するカラオケ大会が3月19日(土)、大阪市の東成区民センターで開催されます。  今年のJBSカラオケ大会は一年を通してのイベント。3月と7月に予選会をおこない、それぞれの上位15名とシード2名を合わせた計32名が、12月の決勝大会に出場します。  ◆第1回予選会 概要 日時 3月19日(土)12時45分~17時00分 会場 東成区民センター 小ホール 地下鉄千日前線・今里筋線「今里」駅から徒歩約3分。 参加者 視覚障害者40~50名  第1回予選会の観覧・応援、大歓迎です。 *第1回予選会の参加申込みは終了しています。 9.同行援護従業者(ガイドヘルパー)養成研修のご案内  特定非営利活動法人日本福祉放送では、以下の要領で、同行援護従業者養成研修(一般課程・応用課程)を実施します。 日程 【応用】 3月26日(土)、27日(日) 【一般】 5月3日(火・祝)、4日(水・祝)、5日(木・祝) 【応用】 5月14日(土)、15日(日) 会場 福島区民センター 定員 各19名 受講料 【一般】 10,800円(税込)【応用】 8,800円(税込)*テキスト代(税込2,592円)別途。 問合せ 特定非営利活動法人日本福祉放送 担当 森尾 電話 06(4801)0171 ファックス 06(4801)7401 HP http://eye-eye.jp *日本福祉放送が運営する同行援護事業所「音友(おんゆう)」では、ガイドヘルパー登録も随時受け付けています。お問い合わせは、右記の連絡先まで。 10.インフォ・ボックス ◆ロービジョン・サポートフェア 日時 3月12日(土) 12時~16時 場所 神戸市立葺合文化センターおよび中山記念会館 参加料 無料 内容 医療講演「アイパッド、アイフォンを用いた新しいビジョンケア」(講師 三宅琢氏)、機器展示、ほか 問合せ 神戸アイライト協会 電話078(252)1912 ◆災害対応リーフレット ・「災害が起きたときのこと、考えていますか?」 ・「被災してしまったら」 日本ロービジョン学会が視覚障害者向けに作成した上の二種類の災害対応リーフレットが、同学会のホームページでダウンロードできます。 それぞれ、以下の5つの版でご利用いただけます。①カラー版②大活字版③大活字・白黒反転版④テキスト版⑤点字データ版。https://www.jslrr.org/information/disaster 11.編集後記  点字、音声、活字、そしてホームページで、JBSの「今」をお伝えしていきます。お好みの方法でアクセスしてみてください。(川越)